Won. Studio

SlackでAI開発を頼む

自動化約8分

何が変わったのか

話し合いの場から、作業がそのまま始まります。

いつもの仕事を思い出してください。Slack(仕事の連絡をやりとりする道具)に「この画面のここが変です」と報告が来ます。何人かで少し話して、原因の見当がつきます。ここまでは、全員が同じ場所にいます。ところが、そのあとで道が分かれます。直す人は別の道具の画面に移り、いま話していたことを頭の中で組み立て直して、もう一度打ち込みます。

これは、会議室で決まったことを、廊下に出てから別の人に一から説明し直すのに似ています。話の中身は同じなのに、伝え直す手間だけが増えます。しかも、伝え直すときにいちばん大事な一言が抜けることがあります。今回の変化は、この「伝え直し」をなくすことです。話していた場所のまま、話していた流れごと、そのまま作業を渡せるようになりました。

呼びかけるだけで動く

できるようになったこと

名前を呼ぶと、作業が始まる

やり方は、新しく入った人に声をかけるのと変わりません。Slackの中で、Claude(AIの相手先)に名前をつけて呼びかけます。「さっきの件、直しておいて」と書くだけです。特別な書き方の決まりを覚える必要はありません。

呼ばれた側は、その書き込みが開発の頼みごとかどうかを、自分で見分けます。ただの雑談や、感想への相づちなら動きません。開発の話だと分かったときだけ、その場で作業の場が立ち上がります。ここが今までと違うところです。これまでは「まず作業する場所を用意して、それから頼む」でした。これからは頼むのが先で、場はあとからついてきます。次の写真は、その呼びかけの一行から作業が立ち上がる様子です。

呼びかけるだけで動く
呼びかけた一行から始まっている点

任せる相手を知る

Claude Codeの案内ページ

頼む相手は、Claude Code(AIに開発の作業を任せるための道具)です。何ができるのかは、案内ページで確かめられます。読むときのコツは、書いてある機能の名前を覚えようとしないことです。分からない言葉は飛ばしてかまいません。「自分の職場のどの困りごとなら渡せそうか」だけを探せば十分です。

もうひとつ大事なのは、これは魔法の箱ではなく、仕事を頼む相手だという見方です。新しく入った人に頼むときと同じで、何をどうしてほしいのかが伝わらなければ、期待とは違うものが返ってきます。案内ページは、その相手がどこまでできるかを知るための顔合わせだと思ってください。

任せる相手を知る
何を任せられるかが並ぶページ

今までと、これから

頼み方の変化

変わるところは、大きく三つです。ひとつめ。これまでは話をまとめ直してから渡していました。これからは話の流れごと渡ります。ふたつめ。これまでは別の画面へ移って作業していました。これからは連絡の場のままです。みっつめ。これまでは経過を聞きに行っていました。これからはその場に報告が来ます

三つとも、新しい技を覚える話ではありません。「移動しなくてよくなった」という一点に集まります。移動が減ると、途中で抜け落ちる情報も減ります。これが、いちばん実感しやすい効き目です。

今までと、これから
左が今まで、右がこれからの並び

呼んでから終わるまで

四つの段取り

呼びかけたあと、相手の側では何が起きているのか。中身が見えていたほうが、うまくいかなかったときに原因を探せます。進み方は四つの段取りです。

  • 頼みごとの中身を見分ける/開発の作業かどうかを、呼ばれた側が判断します。作業ではないと判断されれば、何も起きません。
  • その場の話を材料として集める/同じ場所の、同じやりとりの、直前の話をまとめて持っていきます。引き継ぎ書を自分で書いてくれる、と思ってください。
  • どのコードの置き場でやるかを選ぶ/あらかじめ許可した置き場(作りかけの中身がしまってある場所)の中から、合うものを自分で選びます。許可していない場所には触りません。
  • 進み具合をその場に返す/終わると、変更を確かめに行くための入口が、話していた場所に出ます。
呼んでから終わるまで
四つの段取りが進む順番

いちばんつまずくのは、二つめです。材料は「その場に書いてあること」からしか集まりません。別の部屋で話したこと、口頭で決めたこと、自分の頭の中にしかない前提は、届きません。ここを知らないと「なぜ分かってくれないのか」と感じてしまいます。

だから、呼ぶ前に一行だけ足す癖をつけます。どの画面かどうすると起きるかどうなってほしいか。この三つがその場に残っていれば、たいてい足ります。逆にやってはいけないのは、まったく別の話をしていた場所で、いきなり呼びかけることです。関係のない話を材料として拾ってしまいます。用件ごとに場所を分けて話す、というふだんの作法が、そのまま効いてきます。

こんなときに頼める

三つの使いどころ

不具合の調査

困りごとが報告されたら、その場で原因さがしと直しを頼めます。「見てもらえますか」と人にお願いする前に、まず一度渡してみる、という使い方です。原因の見当がついた状態で人が引き取れるので、話が早くなります。

小さな手直し

仲間の意見をもとに、小さな追加や、書き直しを任せられます。文言を変える、表示の順番を入れ替える、といった「後回しになりがちな小さいこと」と相性がよいです。小さいものから試すと、任せ方の勘所も早くつかめます。

みんなで原因さがし

再現のしかたや報告の中身が場に残っていれば、それを手がかりにします。何人かで「こうすると起きる」「この画面だけらしい」と出し合ったあとで呼びかけると、そのやりとりごと材料になります。

反対に、向いていないこともはっきりさせておきます。全体の作り直しや、そもそも何を作るかという方針の決定は、渡す相手が違います。人が決めることを渡すと、もっともらしいのに的外れなものが返ってきます。渡すのは「決まっていることを形にする作業」だと考えてください。

始めるための手順

入れて、つないで、呼びかける。それだけです。ここは自分ひとりで完結しないところがあるので、順番どおりに進めてください。

まず道具を入れる

最初にやるのは、自分たちのSlackにClaudeを追加できるかどうかの確認です。追加の入口となる画面があり、そこで確かめられます。ここで「できません」と出た場合、あなたの操作が悪いのではありません。職場のSlackを管理している人しか追加できない、という決まりになっていることが多いからです。次の写真が、その確認をする画面です。

まず道具を入れる
追加できるかを確かめる画面

三つの準備

この順番で進める

  • SlackにClaudeを追加する/職場のSlackに、この道具を入れてもらいます。自分に権限がなければ、管理している人にお願いします。
  • 自分の利用者情報でつなぐ/入れたあと、自分のClaudeの利用者情報でつなぎ直します。ここを飛ばすと、呼びかけても自分の作業として受け取ってもらえません。
  • 名前をつけて呼びかける/開発の頼みごとは、名前を呼んで書けば伝わります。特別な合図は要りません。
  • ブラウザで使える権利がいる/画面の中で動く側を使える人でないと、作業は渡せません。手元の道具だけ使える状態では届かない、という点に注意します。

お願いするときは、専門的な説明をしなくて大丈夫です。「Slackから開発の頼みごとを渡せるようにしたいので、Claudeを追加してほしい」と伝えれば通じます。断られたら、その理由を聞いておくと次につながります。

頼まれた側の画面

実際に立ち上げてみる

受け取った側は、この画面で作業を進めていきます。

呼びかけると、受け取った側の作業の場が立ち上がります。あなたがこの画面を操作する必要はありませんが、どこで何が進んでいるのかを一度見ておくと、待っているあいだの不安がなくなります。

頼まれた側の画面
受け取った側が作業を進める画面

働いている様子

頼みごとを渡す

頼みごとを渡すと、書き直しまで自分で進めます。

渡したあとは、途中で細かく指示を出さなくても、調べるところから書き直すところまで進んでいきます。次の写真が、その進んでいる最中の様子です。ここで大事なのは、黙って待てばよい時間だという点です。何度も催促を書き込むと、そのたびに材料が増えて話がぶれます。

働いている様子
調べてから書き直すまでの進み方

今はまだお試しの段階

使う前に知っておく

まだお試しの提供です

期待して読んでくださったところに水を差すようですが、ここは正直に書きます。これはまだお試しの提供です。だれでもすぐ使えるとは限りません。使えなくても、あなたの環境が悪いわけではありません。職場で管理している人に相談するのが最短です。

そして、いちばん誤解されやすいところ。出てきた変更は、そのまま世の中に反映されるわけではありません。人が見て確かめる一手間が必ず入ります。終わったときに出る入口は、「終わりました」の合図ではなく、「見てください」の合図です。任せたあとも、中身を自分の目で読むところまでが自分の仕事だ、と覚えてください。下書きを人に頼んでも、出す前に自分で読むのと同じです。

今はまだお試しの段階
使う前に知っておく注意の並び

きょうのまとめ

話す場所から、そのまま任せる。これが今回の一行です。連絡の場で名前を呼ぶと作業がその場で始まり、直前のやりとりがそのまま材料として渡ります。どのコードの置き場でやるかも自分で選び、終われば変更を確かめる入口がその場に出ます。移動と伝え直しが消える、という変化です。

明日やることは、これだけで十分です。

  • 職場のSlackにClaudeが入っているか、追加の画面で確かめる
  • 入っていなければ、管理している人に「追加してほしい」と一言お願いする
  • 入っていたら、自分の利用者情報でつなぎ直す
  • いちばん小さな手直しをひとつ選び、その話をしている場所で名前を呼んで頼む
  • 返ってきた変更を、自分の目で読んでから次に進める

AI図書館では、AIを仕事で使う話を、やさしく1本ずつ出しています。フォローといいね、お願いします。次の回もここで会いましょう。

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