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AI業務の作り方

実践約8分
AI業務の作り方

まず切り出す

繰り返し作業を1本の流れにする

AI業務づくりで最初にやることは、仕事を大きく見せないことです。いきなり「この部署の仕事を全部ラクにしたい」と考えると、何を任せるのかがぼやけます。まずは、毎回ほぼ同じ順番で進めている作業をひとつ切り出します。

たとえば、情報を集める、要点を並べる、短い報告にまとめる、という流れです。これなら、1本の作業として形にしやすくなります。新しく入った人に仕事を教えるときも、いきなり全部は渡しません。まずは「この流れだけお願い」と区切るはずです。AIに任せるときも同じです。

ここで大事なのは、作業の名前ではなく、流れで見ることです。「日報作成」ではなく、「元のメモを読む」「見出しに分ける」「今日の報告文にする」というように分けると、どこまでを任せるかがはっきりします。

先に狙う作業

反復業務

最初に狙うなら、何度も出てくる作業です。たまにしか来ない難題より、毎週、毎日、似た形で回る仕事のほうが向いています。理由は単純で、同じ型を使い回せるからです。うまくいった直し方も次に生かせます。

日本語で書く

業務マニュアルは自然文で作れる。最初から厳密でなくていい。

身構えなくて大丈夫です。最初の指示は、堅い書式でなくても、ふつうの日本語で書けます。たとえば「まず資料を読んで、重複をまとめて、最後に上司向けに短く書く」といった書き方で十分です。最初から完璧な言い回しを作ろうとすると、そこで止まってしまいます。

品質をそろえる

同じ作業を毎回近い品質で出し直せる。

人がその場の気分で書くと、短すぎたり、順番が変わったりします。AIに任せる価値は、毎回だいたい同じ形で出せることにあります。もちろん、最終確認は人が必要です。ただ、土台がそろうだけでも見直しはかなり楽になります。

入力を替える

テーマだけ変えても同じ型で回せるようにする。

たとえば、今週は採用情報、来週は価格動向、再来週は顧客の声、というように題材が変わっても、流れが同じなら回せます。逆に、題材が変わるたびにやり方まで変わる仕事は、最初の題材には向きません。まずは「入れる材料だけ替えれば回る」仕事から始めます。

調査は流れで任せる

単発より工程

AIは、一問一答で使うだけだともったいないです。「これを調べて」で終わらせず、その後に何を作るのかまで含めて任せると、使い道が広がります。調査は特に、流れで渡したほうが効果が出やすい仕事です。

情報を集める。知りたいテーマを入れたら、必要な材料を集めさせます。ここでのコツは、広く集めさせたあと、人が「足りない観点」を足すことです。最初から完全を求めず、たたき台を受け取るつもりで進めます。

整理して図にする。集めた情報は、ただ並べるだけでは読みにくいです。種類ごとに分ける、時系列で並べる、比較しやすい形にする、といった見える形まで整えさせます。図といっても難しく考えなくてよく、見出しごとにまとまっているだけでも十分役立ちます。

最後に論点をまとめる。結論が読めるレポートまで一気に出させます。このとき、結論だけでなく「なぜそう言えるか」も一緒に出させると、あとで人が確認しやすくなります。単発の質問より、集める、整理する、まとめるを続けて渡すほうが、実務では使いやすいです。

最初の案は下書き

典型的な罠

出た計画をそのまま使わない

ここはとても大事です。AIが出した最初の案は、見た目が整っていても、まだ下書きです。文章がそれらしく見えると、そのまま使いたくなりますが、そこがいちばん危ないところです。

  • 見た目が良くても、実際のやり方に合っていないことがあります。
  • そのまま実行すると、自分の仕事向けの調整が足りず、途中で止まりやすいです。
  • 良し悪しを見抜く知識は、人が持ちます。判断まで手放さないことが大切です。

新しい担当者が作った計画書を、先輩が一度見直すのと同じです。方向は合っていても、抜けや無理が残ります。AIの案も同じで、「ゼロから書かせる相手」ではなく「たたき台を出す相手」と考えると失敗しにくくなります。

丸投げから役割分担へ

人が残す判断

これまでの失敗は、AIに全部任せようとすることから起きがちでした。これからは、どこを任せ、どこを人が持つかを決めるやり方に変えるほうがうまくいきます。

全部AI任せではなく、任せ先を指定します。たとえば、材料集めは任せるが、結論の採用は人が決める、という分け方です。案を即実行ではなく、実現性を確認します。現場で本当に回るか、必要な人が見られるか、時間に間に合うかを確かめます。

ふんわり指示ではなく、機能まで指定します。ここでいう機能とは、「何ができれば助かるか」という役目です。たとえば「長い資料を短くする」「日付ごとに並べる」「毎朝同じ形で出す」といった具体的な働きです。頼み方が具体的になるほど、直す場所も見つけやすくなります。

育てて実装

一気に作らず段階的に詰める

AI業務は、最初から完成品を作ろうとしないほうが成功します。まず動くものを作り、そのあとで現場に合わせて詰めていきます。引き継ぎ書も、最初の版を配って終わりではなく、実際に使いながら直していくはずです。それと同じです。

最初の段階では、「これなら今の仕事の一部を置き換えられそうだ」と見えるだけで十分です。全部きれいにつなげるより、まず一か所で役立つことを確認したほうが、次の改善がしやすくなります。

改善は小さく回す

分割して深める

うまくいかないときに、全部を作り直す必要はありません。止まっている場所だけを小さく直すほうが早いです。ここで大切なのは、問題を細かく見ることです。「なんとなく微妙」ではなく、「要約が長い」「見出しがばらつく」「抜けがある」と言えるようにします。

  • まず一部分だけ作る。全体を同時に作ると、どこが悪いのか分かりにくくなります。
  • その部分だけ磨く。狙った場所を深掘りして、出し方をそろえます。
  • 人の言葉で手直しする。欲しい調整を自然文で足して、少しずつ仕上げます。

つまずきやすいのは、「一度で決めよう」とすることです。実際には、少し出して、見て、直して、また出すの繰り返しです。この回し方に慣れると、AIの使い方が急に現実的になります。

見せ方まで作らせる

確認コスト削減

結果は人が見やすい形に変える

AIが何かを作れても、人が読むのに手間がかかると続きません。長い文章のまま渡されるより、見出し付きの一覧や、すぐ確認できる並びのほうがずっと使いやすいです。ここで言いたいのは、内容だけでなく、見せ方も仕事の一部だということです。

まずは動く形を作り、あとで表示の仕方を詰めれば大丈夫です。最初から見た目まで完璧にしようとすると、前に進みにくくなります。ただし、読む手間が減るほど、使い続けやすくなるのは確かです。現場で残るかどうかは、ここで差がつきます。

たとえば、朝の確認用なら短く一覧で、会議用なら論点ごとに、保管用なら日付順に、というように、見る人に合わせて形を変えるだけでも価値が上がります。

強いのは常駐型

できる範囲が違う

ここでいう常駐型とは、会話のたびに単発で使うだけでなく、手元の仕事の置き場とつながり、決まった時間にも動かしやすいタイプのことです。難しく聞こえるかもしれませんが、要は「その場限り」ではなく「仕事の中に居続ける」形です。

これまでの使い方では、ファイルを毎回渡さないと読めない、同じものを何度も開かせる、定期的に動かしにくい、といった不便がありました。常駐型になると、置いてある資料を読める、手元のデータを見に行ける、朝や夕方など決まった時刻で動かせる、といった差が出ます。

だからこそ、単発の相談相手として見るより、日々の流れの中で働く補助役として考えるほうが、業務づくりには向いています。

学び方で差が出る

今は実機で触る

独学だけ限界

会話だけのAIより、操作の相手が広がると、詰まりどころも増えます。読むだけで分かった気になっても、実際に仕事に当てはめると止まりやすいです。どこで迷うかは、人によって違うからです。

手を動かす

実際に作ると、できることの幅が一気に見えてきます。逆に、作らないままだと、「何が任せられて、何を人が見ないといけないか」が分かりません。小さくても、自分の仕事で試すことが近道です。

業務から始める

日報や情報収集など、今ある仕事を1つ置き換えるところから始めます。学ぶために難しい題材を選ぶ必要はありません。毎週やっている仕事のほうが、良し悪しを判断しやすいからです。自分で結果を比べられる仕事を選ぶと、学びが早くなります。

今日の要点

最初の1本を育てる

狙うのは繰り返し作業です。単発の質問より、工程ごと任せるほうが、実務では役に立ちます。最初の案は必ず人が検証し、一気に作らず分割して磨きます。さらに、見やすさと使い続けやすさまで考えておくと、途中で止まりにくくなります。

要するに、AIは丸投げする相手ではなく、育てながら役割を増やしていく相手です。最初から大成功を狙うより、ひとつの流れを回せるようにすることが、いちばん確実です。

まとめ

明日やることは、大きな改革ではありません。小さく始めるだけで十分です。

  • 今の仕事から、毎回ほぼ同じ順番でやっている作業を1つ書き出す。
  • その作業を「集める・整理する・まとめる」のように流れで分ける。
  • AIに渡す説明を、かたい書式ではなく自然な日本語で下書きする。
  • 出てきた案をそのまま使わず、現場で回るかを自分の目で確認する。
  • 結果の見やすさまで考え、まずは続けられる形に整える。

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