Won. Studio

Kimi K3検証

基礎約8分

まず結論

強い。でも最強と言い切る段階ではない

Kimi K3(文章や画面案を作るAI)は、少なくとも上位の仲間に入る強さがあります。見た目を作る課題でも、直し仕事でも、弱い印象はありませんでした。

ただし、どの仕事でも必ず1位になるわけではありません。課題が変わると、勝ち負けも入れ替わります。だから今回の検証で言えるのは、「かなり強い。けれど、無条件で最強と決めるには早い」です。

結論

先にひと言

Kimi K3は上位級に届く

ここで大事なのは、「公開されている高い点数が、ただの見せ方ではなかった」という点です。数字だけ立派で、実際に頼むと使いにくい道具はあります。ですが、Kimi K3は実作業でもちゃんと強さが見えました。

  • 先にひと言

とはいえ、上位級に届くことと、いつでも首位であることは別です。明日仕事で使うなら、「かなり有力な候補」と考えるのが安全です。

数字だけで決めない

見る順番が大事

公開点数

点が高くても、実際の仕事では使いにくいことがあります。試験で高得点でも、現場では説明が長すぎたり、見た目が崩れたり、待ち時間が長かったりするからです。

たとえば、新しく入った人の履歴書が立派でも、実際に資料づくりを頼んだら、直しが多いことがあります。AIも同じで、まず数字を見て、そのあと必ず実物を見ます。

実作業

同じ頼み方で作らせると、本当の差が見えます。言い換えると、同じ仕事を同じ条件で頼んだとき、どこまで形にできるかを見るということです。

ここで条件がずれると、公平な比較になりません。一方には丁寧に説明し、もう一方には短く頼む。これでは、作る力ではなく、頼み方の差を見てしまいます。

待ち時間

仕上がりだけでなく、何分かかるかも選ぶ材料になります。よくできていても、毎回待ち時間が長すぎると、急ぎの仕事では使いにくいからです。

逆に、少しの差なら、速いほうが現場では助かることもあります。だから「きれいかどうか」だけでなく、「いつ出てくるか」も一緒に見ます。

比べ方

同じ課題を、名前を隠して見た

有名な名前が付いているだけで、よく見えてしまうことがあります。人はどうしても先入観に引っぱられます。そこで今回は、どれがどのAIかを隠したまま比べるやり方を中心にしました。

仕事でも、誰が作ったかを知らずに案だけ並べると、公平に選びやすくなります。それと同じです。名前ではなく、出てきたものそのものを見るための工夫です。

毎回まっさらにする

条件をそろえる

前の残りを消して、次の比較を始める

AIは、さっきまでのやり取りを引きずることがあります。前に頼んだ内容が残っていると、次の比較で有利になったり不利になったりします。これでは正しい勝負になりません。

会議室のホワイトボードを消さずに次の打ち合わせを始めると、前の話が混ざってしまいます。それを防ぐため、毎回まっさらな状態から始める必要があります。

条件をそろえることが目的です。ここを雑にすると、あとで結果を見返しても、「本当にこの差なのか」が分からなくなります。

同じ課題を渡す

作る道具をそろえる

同じ頼み方で、作業の差を見比べる

比較では、出すお題をそろえます。片方には「見やすい画面を作って」と頼み、もう片方には「この見本に近く、色も整えて」と細かく頼む。これでは結果がぶれます。

引き継ぎでも、ある人には詳しい手順書を渡し、別の人には口頭だけで説明したら、出来上がりの差がその人の力なのか、材料の差なのか分かりません。AIもまったく同じです。

作る道具をそろえる、というのはそういう意味です。頼み方を同じにして、初めて作業の差を見比べられます。

採点のしかた

先入観を減らす

名前を隠す

A・B・Cとして見て、どれがどの型かを知らずに選びます。こうすると、「有名だから上に見える」というゆがみを減らせます。

目で選ぶ

見やすさや、まとまりを、人の目で判断します。とくに画面の見た目は、点数だけでは決めにくいです。文字の詰まり方、色の強さ、視線の流れは、実際に見て初めて分かることがあります。

ここでつまずきやすいのは、派手な案を高く見積もってしまうことです。色が多い、装飾が多い、動きが多い。これらは一見よく見えますが、仕事では見やすさを下げることもあります。

自動でも見る

人の感想だけでなく、自動採点と時間も横に並べて見ます。人の目だけだと好みが入りますし、自動の点だけだと実用の差を見落とします。

両方を置いておくと、「見た目は良いが遅い」「点は高いが読みにくい」といったズレに気づきやすくなります。これが、数字だけで決めない理由です。

見た目は並べて比べる

Figmaで確認

同じ課題の見た目を、横並びで選ぶ

Figma(画面の見た目を並べて確認する道具)で横に並べると、小さな差が見えやすくなります。単体で見ると良さそうでも、並べると文字の詰まりや余白の乱れがはっきりします。

仕事の資料でも、1枚だけ見ると普通でも、候補を3枚並べると、どれが読みやすいかすぐ分かることがあります。それと同じ見方です。

ここで見るべきなのは、派手さではなく、迷わず読めるかです。どこから目に入るか。大事な数字が埋もれていないか。グラフと説明が離れすぎていないか。そうした実務の見やすさを確認します。

ダッシュボード課題

見た目の差

この課題はKimi K3が1位

ダッシュボードというのは、数字やグラフを1画面にまとめた仕事画面のことです。この課題では、Kimi K3の仕上がりがいちばん高く評価されました。

評価されたのは、グラフのまとまりと見やすさです。同じ頼み方でも、情報の置き方や余白の取り方に差が出ました。見た人が「どこを見ればよいか」で迷いにくかった点が強みです。

同じ頼み方でも、仕上がりに差が出た、というのが重要です。これは偶然ではなく、見た目を整える力の差が表に出たと考えやすい場面です。

ただし完成まで約50分かかった、という点は見逃せません。時間に余裕がある仕事ならよくても、急ぎの場面では使い分けが必要です。

別の画面案では

差はかなり小さい

最上位クラスが1位。この課題ではKimi K3は2位でした。ただし、見た目の差は大きくありませんでした。どちらを選んでも大きな不満は出にくい、そんな近い勝負です。

Kimi K3は約5分で完了。この課題では速さで有利でした。仕事では、この差がそのまま助かることがあります。たとえば、会議前にたたき台を1枚出したいときは、速さが大きな価値になります。

課題で順位は入れ替わる。1回の勝ち負けだけで決めないことが大切です。資料づくりに強い道具が、必ずしも直し仕事でも一番とは限りません。だから複数の課題で見ます。

土台の強さも高い

見た目以外の課題

直し仕事

不具合を直す課題では、上位どうしが同点でした。つまり、見た目だけでなく、直す力でも十分強い位置にいます。

ここでいう直し仕事は、出来上がったものの乱れや不自然さを見つけて整える力に近いです。実務では、新規作成より直しのほうが多いこともあります。この点が弱くないのは安心材料です。

計算問題

数学の課題でも、どちらも満点でした。計算や筋道のある答えでも、大きく遅れていません。

意味

基本の力はすでに、かなり高い水準まで来ています。見た目づくりだけに偏った強さではなく、土台そのものがしっかりしている、と受け取れます。

明日使う側としては、「きれいなものは作れるが、基本が不安」という心配は小さめです。これは導入を考える上で大きい点です。

公開点数とのズレ

結局どうだったか

数字は大げさではない。公開テストの強さは、実作業でもおおむね見えました。点数だけが先走っていた、という感じではありません。

勝つ場面は本当にある。オセロの検証でも、他の強い型に勝つ試合が出ました。これは、たまたま一分野だけ強いのではなく、考える力にも見どころがあることを示します。

でも総合首位ではない。最上位クラスには負ける場面も残りました。ここを見落として、「全部で一番」と受け取るのは早すぎます。

つまり、公開点数と実作業の間に大きな裏切りはありませんでした。ただし、数字の印象だけで万能と考えるのは危険です。実際の仕事に近い形で試してから決めるのが正解です。

使う前の注意

導入の現実

個人のPCで気軽には動かせない

ここは、性能とは別の大事な話です。Kimi K3は全体の規模が大きく、公開された説明では2.8兆とされています。必要な部分だけ動く作りでも、個人には重い、という前提で見たほうがよいです。

要するに、自分の会社の普通の仕事用パソコンに入れて、すぐ軽く動くものではありません。設定に強くない人が一人で何とかする道具ではない、ということです。

  • 全体の規模は2.8兆とかなり大きい
  • 必要な部分だけ動く作りでも、個人には重い
  • 使うなら外部サービス経由が現実的

明日使うなら、外部サービス経由で試すのが現実的です。まずは「自分の仕事でどこまで使えるか」を小さく試し、良ければ社内の詳しい人に相談する流れが安全です。

まとめ

明日の判断はこの5つ

  • Kimi K3は上位級。試す価値は高い
  • 見た目の課題では勝つ場面があった
  • ただし最上位クラスが総合では優勢
  • 速さは課題で変わる。毎回同じではない
  • 個人PC前提ではなく、外部サービスで使う

最初の1本としては、見た目づくりの仕事で試すのが分かりやすいです。たとえば、社内向けの画面案、集計画面のたたき台、数字を並べた報告用の下書きです。

逆に、いきなり全社で切り替えるのは早いです。まずは小さな課題で、仕上がり、待ち時間、直しやすさを見てください。それで十分、判断材料になります。

最後に

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次の回もここで会いましょう。

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